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<インタビュー>フレンズは2020年が5周年、そして5人が目指す先とは



 フレンズのニューシングル『あくびをすれば』が6月17日にリリースされた。本作にはTVアニメ『ハクション大魔王2020』のエンディングテーマ曲となっている表題曲「あくびをすれば」に加え、カップリングにLittle Kiss「A.S.A.P.」のカバーが収録されている。2020年が5周年イヤーとなるフレンズ。今回のタイアップ曲の制作や北浦和KYARAのラストイベントへ出演などでの、メンバー5人それぞれの心境はどのようなものだったのか。このコロナ下で、メンバーはどのようなことをしているのかも含めて、インタビュワーにライターの三宅正一を迎えて語ってもらった。

今までのフレンズの曲を分析も含めて振り返った(ひろせひろせ)

――言うまでもなく家にいる時間が多いと思うんですけど、最近はどのように過ごしてますか?

ひろせひろせ:楽曲制作は止まらずに続けつつ、時間ができたので動画編集の勉強をしたり。あとは涼平さんの誕生日をみんなでZoomでお祝いしました。

――涼平くんはフレンズのみならずthe telephonesのライブも飛んでしまっている中でどんな時間を過ごしてますか?

長島涼平:僕は家庭菜園を始めました。もともとアウトドア人間でもあるので。ベースを触る時間もすごく増えましたね。今まで弾いてみたいと思っていた曲を弾いてみたり。1日2時間はベースを弾くという時間を設けていて。それ以上やっちゃうと練習になっちゃうので、楽しいと思えるギリギリの時間の中でやってます。ライブが飛んでることに関しては正直、メンバーとスタッフのグループLINEとかは開きたくなくなっちゃいますね。3月くらいからはLINEを開けば延期や中止の連絡が来ているような状態なので。3月頭くらいまでは中止ではなく延期ということに希望を持っていたんですけど、今は中止の発表のほうが多くなってきていて。そういう意味ではメンバーよりもスタッフのほうが精神的につらいんじゃないかなと思うんですよね。



――えみそんは?

えみそん:気づけばハタチ過ぎくらいからアウトプットの時間がずっと続いていたので。家にいる時間がほとんどなかったなと思って、ゆっくり過ごしてみたり。映画やドラマをたくさん観たり、あとはギターがあまり上手く弾けるほうではないので練習したり、ベースも弾いてますね。インプットする時間を過ごしてます。それとソロで「RECORD STORE DAY」に参加予定で、それに向けてレコードプレーヤーも買っていたんですけど、イベント自体が延期になってしまったのでオンラインでレコードを買って聴いたりしてます。

――塁くんはどうですか?

関口塁:最近は電子ドラムを叩いたり、ギターを買ってたまに曲を作ったり。あとはNew Orderの「Ceremony」とか、打ち込みで好きな曲を再現してそれをちょっと崩したり(リアレンジ)して遊んだりしてます。そういう遊びも時間がなければできないことなので。リスナーとしてもPost MaloneのNirvanaのトリビュートコンサートの配信を観たり、Oasisが公開した未発表のデモ音源を楽しんだりしてます。


▲Oasis「Don't Stop... (Demo)」

――太郎くんは?

三浦太郎:僕はギターのスライドバーを練習しようと思って2種類買ったんですけど、自分の指が太すぎて先っぽまでしか入らなくて(笑)。それをInstagramとかTwitterに上げたらGLIM SPANKYの亀ちゃん(亀本寛貴)が「サイズがあるんですよ」って教えてくれて。新しく自分に合うサイズを買いました(笑)。他には曲を作ったり、他のアーティストの音楽を聴いたり。他のアーティストが今この時期にどういう曲をリリースしてるのか、動画配信しているのかすごく気になっちゃって。すでに新型コロナに触れてるような歌詞もあれば、もともとこういう状況になる前にリリースが決まってたんだろうなという曲もあって。

――ポップミュージックで歌われることの変化はこれからどんどん起きていくでしょうね。

三浦:そうですね。印象としては新しく生まれてる曲はラブソングが減ってるのかなって。

――ポップミュージックを作っていくうえでの変化はフレンズにも起きていくことだと思うんですけど、今のバンドのマインドを言葉にできますか?

ひろせ:こういう状況になる前からバンドとして考えていたことがあって。5周年イヤーを迎えるにあたって、今までのフレンズの曲を分析も含めて振り返ったんですよ。サブスクの再生回数の多い曲はどれかとか、YouTubeでMVが多く観られている曲はどれかとか、そういうデータを集めて。話は前後しますけど、去年の11月から今年1月まで回っていたツアーがバンドにとって本当にいい感触があって。ちゃんと曲で勝負できてることを実感できたツアーだったんですね。それを踏まえて、5周年イヤーの2020年はどういう勝負をして、何ができるのかということをちゃんと考えないといけないと思って。そうやっていろんなことを振り返ったり考えたりした結果、まず「今の音数が正解なのか?」という疑問にたどり着きまして。フレンズというバンドの本質として、楽しい気持ちであったり、リスナーを元気づけるということは一つ本質としてあると思うんですけど、それを踏まえたうえでわかりやすくちょっと音数を減らしてみようという提案をえみそんがしてくれたんです。「メンバー5人だけで演奏しているカッコいい音を追求してみない?」という。

――ゴージャスにストリングスを入れようとか、そういうことではなく。

ひろせ:そう。キーボードを入れることに関してもリッチな音じゃなくていいとか。要はかわいいよりカッコいい、暖かいより冷たいという音を目指していこうってなったんですよね。そんな中で今回の『ハクション大魔王2020』のエンディングテーマの話があり。


▲フレンズ「あくびをすれば」

――タイアップのお題的にはファミリー層が観るアニメという面も強いと思うから、クールな面や冷たさを押し出すのは難しいところもあったと思うんですけど。実際にこの「あくびをすれば」という曲はカントリー調のハートウォーミングなポップミュージックとしての感触が強い曲になっていて。

ひろせ:そうですね。今回、カップリングにはLittle Kissの「A.S.A.P.」のカバーが入ってますけど。



――この選曲もアレンジも絶妙ですね(笑)。すごくフレンズらしいなと思った。

ひろせ:ありがとうございます(笑)。カップリングが「A.S.A.P.」になる前はそういうクールな感じとか冷たさを出すような曲を入れようかなとも思ってたんです。でも、「あくびをすれば」も自分の中ではもっとリッチなアレンジにもできたんですよ。

――なるほど。

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言っちゃえば大学生ノリじゃなくなった(長島涼平)

ひろせ:今のフレンズがやりたいこと、フレンズが求められていること、今後のフレンズがやるべきことって全部別だと思っていて、そこの間をとったという感じですね。レーベル的にももっとリッチなアレンジにしてほしい、鍵盤の音をデカくしてほしいというリクエストがあったんですけど、俺はえみそんが言っていた「5人で完結しよう」という提案がすごく重要だと思ったので。もちろんポップであるんだけど、ギターとドラムとベースの音がカッコよければ成立するような曲を作りたいなって。今年の1月にツアーが終わって、そのあとに閉店する北浦和KYARAのラストイベントでthe telephones、BRAHMAN、cinema staff、TENDOUJIと対バンして。

――フィジカルの強いバンドたちとの対バンがありましたよね。

ひろせ:対バン相手のまさに“バンド”という感じが、自分たちがツアーファイナルをLINE CUBE SHIBUYAでやったあとにすごくカッコよく見えて。あとは2月の真ん中にはSCOOBIE DOの対バンツアーに参加させていただいたんですけど、このタイミングでこういうバンドのツアーに、一緒に回れることに何か意味があると思ったんですよね。

――あらためて、えみそんはどういう思いで5人が鳴らしている音をもっと強調したいと思ったんですか?

えみそん:5月と6月に回る予定だったツアーの中で、5人で一つということを提示するコーナーを作りたいと思っていたんです。それが始まりでしたね。前に塁くんとも話していたんですけど、最近の海外のヒットチャートを聴いてると、ヒップホップを筆頭に全体的に少ない音で成り立っている曲が増えてるじゃないですか。フレンズでも少ない音数と歌を押し出す曲をやってみたいなと思ったんです。

――5年間で培ったバンド感、対バンでの刺激、海外で同時代に鳴っている音数の少なさから得るヒントが自然と今のモードに反映されていった。

えみそん:そうですね。加えて、「あくびをすれば」は玉置浩二さんの「田園」に通じるような往年の日本の名曲感もあると思っていて。


▲玉置浩二「田園」

関口:初期のフレンズ──最初に作ったEP『ショー・チューン』のころは最近のフレンズに比べてシンプルだったし、いまだにライブでやる曲も多いしお客さんの反応もいいので、「またあのころの感じに戻ってみてもいいんじゃない?」という話をひろせとした記憶があって。個人的にも音数が少ないほうが好きという好みもあるんですけど。2010年前後でThe xxが台頭して以降、ポストダブステップとかベースミュージックに傾倒したアーティストがバーッと出てきて、海外では音数が少なくてその隙間をリバーブやディレイで(音像を)埋めるサウンドがどんどん主流になっていったじゃないですか。ロックンロールリバイバルのときもそうでしたけど、そういうトレンドはだいたい10年遅れで日本にやってくる感覚があって。最近はインディR&Bみたいに海外トレンドが時差なく日本の音楽シーンに反映されるようになってきましたよね。


▲The xx「Angels」

――それはもうサブスクの光明の一つですよね。

関口:そうですね。フレンズでもそこからのフィードバックは当然意識したいと思うし。

――今のフレンズのモードに関して、涼平くんと太郎くんはどう捉えていますか?

長島:フレンズって結成した当初の勢いや楽しさのままワーッと駆け抜けて、認知してくれる人も増えて、その状態のまま「東京ドームが目標」ということを最初から言っていたし、どこかでひょっとしたらこのまま東京ドームまで連れて行ってもらえるんじゃないかという気もしてたんですよね。だけど、その都度バンドでやりたいことって変化していくし、去年の秋に回ったツアーで、自分たちで責任感を持ってしっかり準備した曲を出さないととても目標までたどり着けないとメンバーみんな自覚したと思うんですよね。そこで気が引き締まったというか、言っちゃえば大学生ノリじゃなくなったような気がします。それがこのタイミングでよかったなって。もちろん、少年少女的な楽しさはずっと持ってる部分なんですけど。だから余計、このコロナの状況が悔しいですよね。

三浦:やっぱりライブができないことがこんなにもつらくて悔しいのかという思いが一番前に来るんですけど。でも、5年間しっかりバンドを体感したんだなって振り返ることもできたので。その分、これから先のことを取り戻していきたいなと思いますね。

――こういう状況だけど、5周年イヤーはまだ続くしね。

ひろせ:そう。5周年イヤーの最初のライブが中止になっただけで、5周年イヤーであることは変わらないので。できることを攻めていきたいなと思ってます。

フレンズ「あくびをすれば」

あくびをすれば

2020/06/17 RELEASE
AICL-3811 ¥ 1,650(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.あくびをすれば
  2. 02.A.S.A.P. (フレンズCover Ver.)
  3. 03.あくびをすれば (神泉Ver.)
  4. 04.あくびをすれば (音を楽しもうVer.)

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