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ザ・ニュー・パワー・ジェネレーション来日記念インタビュー~最も長く殿下を支えたモーリス・ヘイズが語るプリンスの姿

NPG来日記念インタビュー

 4月21日のプリンスの命日を前に開催されるザ・ニュー・パワー・ジェネレーションの来日公演。メンバーが総入れ替えとなった今年のNPGメンバーについては、荘治虫氏の特集記事「ザ・ニュー・パワー・ジェネレーション来日記念特集~故プリンスを支えたベテランから秘蔵っ子まで…来日公演参加メンバーのキャリアを総ざらい」をチェックしてもらいたいが、昨年とは異なる90年代以降の活動を支えたNPGメンバーの来日が迫る中、プリンスと一番長い時間を共にしたミスター・ヘイズことモーリス・ヘイズにインタビューを敢行。殿下と出会いから、心に残る教訓まで、様々な質問に答えてくれた。

彼の信念は、音楽を尊重することだった

――プリンスとは何年くらいの付き合いだったのでしょうか?

モーリス・ヘイズ:1989年頃、映画『グラフィティ・ブリッジ』の製作アシスタントとしてペイズリーパークで働き始めたんだ。そして、1992年にバンドに加わりプリンスと仕事をするようになったね。それから2012年までは(途中バンドから離れていた時期もあったけど)ほとんどの間、バンドに参加していたよ。

―――プリンスと初めて会った時のシチュエーションと、覚えていれば彼の第一印象を教えて下さい。

モーリス:これもおかしな話なんだけど、プリンスと初めて“会った”ときのことはよく覚えていないんだ。色んなシチュエーションで、彼のことをすごく近くで何度も見かけていたから、実際に彼に会って挨拶をした記憶はどこかへ行っちゃったよ。

――最初に彼のバンドに誘われた時はどう感じましたか? あなたのプレイのどんな部分が彼に気に入られたのでしょうか?

モーリス:プリンスからバンドに入って欲しいと頼まれたのは、<Diamond & Pearls Tour>の後、彼のクラブ『Glam Slam』にいた時だった。自分の車へ向かって歩いている途中、大興奮したのを覚えているし、同時にこれから何が起こるのかという恐怖心もあったね。それは、彼のバンドに入るということはタフなことだとわかっていたからだし、それにまさか自分がプリンスのバンドに入ることが出来るなんて思ってもいなかったからだよ。彼は俺のゴスペル要素が気に入ったんだと思う。だから彼はバンドのセットアップに、ハモンドオルガンのB3モデルを加えることにしたと思うね。

――もし、プリンス以外で誰か他のミュージシャンのバンドに入らなければいけないとしたら、誰のバンドに入りたかったですか?

モーリス:昔からマイケル・ジャクソンの大ファンだった。だからもしマイケルのショーに参加できたら最高だっただろうね。レニー・クラヴィッツもよく聴くんだ。彼のヴァイブスは俺と1番似ていると思う。

――あなたの目から見て、プリンスの音楽家としての才能はどのようなものでしたか?

モーリス:俺から見たプリンスはミュージシャンの中でも、とても均等の取れたミュージシャンだった、ということに限るね。彼は一人で全てこなせたし、彼が弾く楽器はどれも最高レベルだった。歌えて、踊れて、曲を書けて、演奏も出来て、本当に何でも出来ていたよ。

――結果的に、あなたはプリンスともっとも長い間一緒にプレイしたミュージシャンとなりました。彼と長い間一緒にプレイする秘訣は何でしょうか?

モーリス:自分が携わっているアーティストについて出来る限り理解をすることが1番大事なことだと思っている。俺は決して最高のキーボード奏者ではなかったけど、プリンスを理解しようと努力したし、組織に問題を引き起こすようなメンバーになろうとはしなかった。常に時間通りに動くこと、自分がいるべき場所にいること、そして出来る限りの準備をすることが秘訣だよ。

――プリンスにスタジオやリハーサルで言われたことで一番印象に残っていることは何ですか?

モーリス:たくさんあるんだけど、その中でもとても勉強になったのは、「あなたが止めるまでは間違いではない(It’s not a mistake until you stop)」ということ。これは間違いをすることについて言われたことでね。その人自身が自ら「ミスをした」と示すまで、多くの人がその間違いに気づかないことってあるだろう?これは、何かが間違っているかのように見えるという思いから起こるんだ。プリンスはこれを、“dog notes”と呼んでいて、周りのみんなもミスしたパートが聞こえているけど、その人が間違えたパートをそのまま自信を持って演奏することで、大きなミスをした後でもそれは素晴らしい演奏だったと思えるということなんだ。

――一般的に、ステージやスタジオでの彼はコントロールフリークだったと見られていますが、それは事実ですか?

モーリス:手短に言えば、イエス。でも、彼はある程度の範囲内で独創性の自由を与えてくれた。彼の信念は、音楽を尊重することだったよ。

――NPGとしてプリンスと残した作品のうち、あなた自身がもっとも気に入っているアルバムを教えて下さい。また、それはなぜでしょう?

モーリス:たくさんあるけど、『The Gold Experience』がお気に入り。この作品に取り組めたことは素晴らしい経験だった、なぜならこの時の曲もサウンドもバンドもタイトさが最高潮だったんだ。

――NPG期以外で好きなプリンスのアルバムがあれば教えて下さい。

モーリス:『Sign O The Times』かな。

――一般的にNPGを結成した頃のプリンスは、ソウルやファンクといったルーツ音楽への回帰を意図していたと見られています。なぜ彼はそうした音楽への傾倒を強めたのだと思いますか?

モーリス:この質問自体が答えになっていると思うんだけど、彼のルーツだったからじゃないかな。プリンスは、ジェームス・ブラウン、スライ・ストーン、それからジョージ・クリントンが大好きだった。ファンクの3大アーティストだ。ほとんどのファンクはこの3人の系統を引いていると俺は思う。プリンスはこの音の中で息をして生きていたんだ。

――あなたとプリンスのキャリアをたどった時にやはり気になるのが2000年代のスーパーボウルでのパフォーマンスです。あの時の演奏は今でも語り草ですが、実際にステージに立っていた時の感覚は覚えていますか?

モーリス:あれは今までにやったことのない経験だった。地球上で1番大きなショーだ。全てがとても良くまとまっていたし、世界中のたくさんのオーディエンスにリーチ出来る機会だとわかっていた。パワフルな瞬間で、パワフルな感情だったことを覚えている。最高なショーになるようにアレンジして臨んだけど、やっぱり彼はやってくれたね。


▲Prince Performs “Purple Rain” During Downpour | Super Bowl XLI Halftime Show | NFL


――先日のミネアポリスでのパフォーマンスをはじめ、プリンスのトリビュートのステージで演奏する機会も多いと思いますが、彼の曲を演奏する時に一番気をつけていることは何ですか?

モーリス:繰り返しになるけど、音楽を尊重すること。自分自身に問いかけるんだ、俺たちが言えばプリンスはステージに来たいと思ってやってくれるのかって。だから俺たちがプレイするときは、彼がこのステージに立っていると思いながらやらなくてはいけない。そのテストに合格すれば、音楽的に俺たちがいるべき位置にいると言えるんだ。

――ステージやスタジオ以外でのプリンスの印象的なエピソードがあれば教えて下さい。

モーリス:いっぱいあるよ。その中でも俺が最高だと思った出来事は、各バンドメンバーの地元で演奏したとき、メンバーそれぞれの学校に10万ドルずつ寄付してくれたんだ。素晴らしい行為だと思ったよ。

――今回一緒に来日するメンバーについて、コメントをお願いします。

モーリス:素晴らしいメンバーが揃っているよ!2000〜2002年頃にかけてプリンスとツアーを回ったり、レコーディングに参加していたヴォーカル兼キーボード奏者のキップ・ブラックシャイア、90年代に俺がプリンスに紹介して2000年半ばにプリンスとアルバムを制作することになったヴォーカルのテイマー・デイヴィス。それから、ラップ担当のトニー・M、ドラムにはカーク・ジョンソン、パーカッションとダンス担当はデイモン・ディックソン、ベースはレジェンドのモノネオン、それにミネアポリスのアイコニックなR&Bスーパーバンドのミント・コンディションからはホーマー・オデールがギターとして参加してくれるんだ。そして、俺、ミスター・ヘイズがキーボード兼ヴォーカルを担当するよ。


▲The New Power Generation - Live | North Sea Jazz 2017 | NPO Soul & Jazz


――今回多くの日本のファンがプリンスの音楽を、あなたたちの演奏とともにセレブレイトできることを待ち望んでいます。彼らにメッセージがあればお願いします。

モーリス:日本に戻って来れることが楽しみで仕方ないよ!みんなに会って、握手して、一緒にジャムできることを楽しみにしている。待ちきれないね!

――プリンスは長年に渡ってバンドやレーベルの名前として「New Power Generation」という言葉を使用していましたが、シンプルな単語の組み合わせであるだけに、様々な解釈のできる言葉です。なぜプリンスはこの言葉を気に入っていたのでしょうか? あなた自身はこの言葉をどういう意味で解釈していますか?(つまり、NPGとは何なのでしょうか?)

モーリス:その曲の歌詞にもあるように、「We are the new power generation, we want to change the world. The only thing that's in our way is you. Your old fashioned music, your old ideas, We're sick and tired of you telling us what to do.」誰からもどんなことからもコントロールされず、プリンスは彼自身の宿命を引き受けたということだよ。

――今後のプリンスとNPGに関するプロジェクトの予定があれば教えて下さい。

モーリス:イエス。今ちょうど新作を作っているところなんだ。たくさんのサプライズも用意しているよ!

――最後にもう一つだけ、あなたしか知らないプリンスのエピソードを教えてもらえますか?

モーリス:もしそれを教えてしまったら、そのことを知っているのが俺だけじゃなくなってしまうから教えられないね。ごめんよ!

モーリス・ヘイズからビデオメッセージが到着!


▲Morris Hayes from THE NEW POWER GENERATION Video Message for Billboard Live Tour 2018

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