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“プリバート”結成?? ハンバートハンバート×Predawn、Billboard Live対談インタビュー

 3月24日、ビルボードライブ東京にてハンバートハンバート、Predawnという二組の共演ライブが開催される。フォーク・ミュージックをベースにしているというスタイル上の共通点はありつつ、デビュー時期も世代も異なる二組とあって、ツーマンでの出演は初めて。ライブでは両者の共演パフォーマンスにも期待が高まる。今回、Billboard JAPANでは、そんな二組にインタビュー。当日の流れを決めるべく打合せを終えたハンバートハンバートの佐藤と佐野、Predawnの清水に、改めて話を聞いてみた。

清水さんのインタビューを読んで、曲の作り方とか同じだなと思って(佐藤)

--先ほどの打合せで、清水さんが「旅の終わり」をハンバートハンバートの中でも好きな曲として挙げていたのが印象的でした。

清水:「旅の終わり」を聴いたのは、たぶんすごく前です。ハンバートハンバートさんのCDを人から頂いて、それをずっと身近に聴いていて、何曲か歌って遊んだりもしていました。

佐藤:あ、そうなんだ!

清水:「旅の終わり」は本当にトラディショナルな曲調なんですけど、日本語詞にあんまりないような表現というか、ちょっと英語っぽい歌詞がすごく素敵で。一度、原曲を探したこともあって。(※編集部注:原曲「North Amerikay」)

佐野:見つかった?

清水:「これかなぁ?」というのがあったんですけど…


Niamh Parsons & Gerry O'Beirne - North Amerikay


清水:(原曲の)歌詞がひどいですよね?

佐藤:そう、歌詞がひどいんだよ…

一同:(笑)

佐藤:長いし、しょーもないし。曲はすごく良いのに、と思ってああいう歌詞にしちゃったんだよね(笑)

--本来はどんな歌詞なんですか?

佐藤:色々と紆余曲折を語っていく、みたいな、すごく長い曲ですね。それをざっくり自分のイメージでまとめちゃったんです。

清水:あの曲が、あんな素敵な曲にまとまっていて…(最初に出会ったのが)「こっちで良かった…」と思って(笑)

--なるほど(笑)。でも、トラディショナルな音楽を自分たちなりに昇華して届ける、というのは、ハンバートハンバートが継続してやってきたことの一つですよね?

佐藤:はい、そうですね。

佐野:結構、他にもトラッドな曲に日本語の歌詞をつけて、原曲と全然違う歌詞っていう曲があるんですよ。

佐藤:清水さんのインタビューを読んで「曲の作り方とか同じだな」と思って。たぶん(音楽を聴く)ポイントみたいなものが近いんだと思う。曲を作る時、清水さんの場合は最終的な歌詞も英語になることが多いみたいだけど、僕の場合も、日本語でメロディを作るわけじゃなくて、何となくでたらめな英語で歌ってみるところから作曲をはじめるんです。やっぱり英語の歌ばっかり聴いて育って来たから。で、そのイメージを壊さないように、日本語を探していく。

 曲を作りはじめた頃からそういうやり方で、トラッドの曲に日本語の詞を当てていくのも、その延長線上なんです。だからあんまり日本語っぽくないというか、英語っぽく聴こえるんじゃないかな。英語の歌も、聴いているうちに勝手にイメージを作るじゃないですか? いちいち歌詞カードとかは見ないけど、何回か聴いてるうちに、タイトルとか、たまに聴こえてくる単語から曲のイメージを広げるというか。そのイメージと実際の曲が全然違うって、いうこともよくあるんだけど(笑)

佐野:単語を聴き間違ってたりとかね。

--清水さんは最近、日本語詞の曲も書いていますが、その場合の書き方は?

清水:そうですね…メロディが浮かんだ時に「英語しか乗らないな」って思う曲と「これなら日本語も乗りそうだ」って思う曲、二つに分かれちゃうんです。それで、日本語も乗りそうな曲には日本語も乗せて試してみるというか。

--なるほど。ハンバートハンバートは始まった頃から日本語の詞を乗せるというのを決めていたんですか?

佐藤:そうですね。

佐野:でも、私が作ってるわけじゃないんだけど(笑)…やっぱり日本語って一文字一音節だから乗せづらいよね。

佐藤:乗せづらいんだよ。だから最初の方は、子音っぽく聴こえるように言葉を詰めてみたりしてたんだけど、段々そういう小細工も飽きてきて…。

(ハンバートハンバート)スタッフ:字余りも昔の曲のほうが多いよね。

佐藤:すっごい多い。そうすることで、ちょっと英語っぽいリズムになるかなって思って。試行錯誤ですね。

--清水さんは歌と一緒に詞を考えている感じですか?

清水:ざっくりと「このフレーズは入れよう」とか「この単語は入れよう」とか考えていって、作ってるうちに「ああ、こういう曲だったんだ!」って気づく感じというか。逆に、最初から「こういう曲が書きたい!」って思って出来た曲はあんまりなくて。

佐藤:それも似てるなって思ってたんです。「あ、同じ感じで作ってるんだな」って。僕も全く同じで、最初が特に何も決めずに作っていく。逆に、決めてから作ってもなかなか出来ないですよね。

清水:そうですね。「こういう曲が書きたい!」って思っていても、続かないんですよね(笑)

佐藤:そう!そうなんだよね。俺も、やりながら「あ、これだ!ちょっと良い物を見つけた!」みたいなことから膨らませていくこと以外、なかなか出来ないから。膨らませていくうちに、いつの間にか歌詞が出来てることもあるし…なかなか出来ないこともあるし…。歌詞が出来なくて曲が完成しないことも多いですか?

清水:多いですね。

佐藤:じゃあ、それも一緒だ。最近、15年ぶりに、ようやく歌詞が書けた曲があったんですよ。

清水:ええ!

佐藤:それがすごく嬉しくて。調べたら2002年くらいのときにはもうメロディをMDにメモしていて。その時からずーっと詞をつけたくて、書いては(佐野に)聴かせて、ボツにされっていうのを繰り返して…

一同:(笑)

佐藤:全然完成できなかったんだけど、ようやく日の目を見ることが出来ました(笑)

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ハンバートハンバートさんは男女デュオの
“いいとこ取り”をされてるなと思います(清水)

--お二組とも、リスナーとしては色んな音楽を好きで聴いていて、自分が音楽をやる場合も可能性はおそらく色々とあったと思うんです。その中で、なぜフォークというか、今のアコースティックな表現に辿り着いたのか、理由をうかがっても良いですか?

佐藤:(清水に)どういう理由なんですか?

清水:(笑)。私の場合は、特別に“フォーク”っていうことは意識してはこなかったんですけど、小さい頃はピアノを習っていて、そのうち姉と兄がギターをやり始めたので勝手にいじっているうちに、エレキよりアコギの方が、「このままで使える」って思って(笑)

佐藤:すごい同じだ(笑) アコギだったら自分で歌えば完結できるもんね。完成形がどういうものかもすぐに分かるし。

スタッフ:エレキだと付属品が多いもんね。

清水:どんどん増えていくじゃないですか? 結局“ここで完結する”っていうシンプルさにどうしても戻ってきてしまうんです。

--なるほど。ハンバートハンバートはいかがですか?

佐野:何にも繋がなくて音が出るからですね。

佐藤:そうだね。

佐野:「ギュイーン!」ってやりたい時期もあったりするんだけど…

佐藤:結局、これが一番得意なんですよね。で、これが得意な人の方が少ないから、こっちをやった方が有利なんですよ。他にも「ギュイーン!」ってやってる人はいっぱいいるから、今からそこに参入するよりも、今ここでパッとやってることの方が、僕らも得意だし戦いで有利、みたいな感じはありますね。

--なるほど。ちなみに、普段は皆さん家でどんな音楽を聴くことが多いですか?

佐野:私はラジカセの上に置いてあるやつ(笑)

スタッフ:佐野は音楽を聴かないんですよ、あんまり。

佐野:そうなんだよね。それにラジカセの上に置くのは…(隣を見て)

佐藤:俺だね(笑)

佐野:たまに「これ飽きてきたね」って、入れ替えてくれてるもんね(笑)

--佐野さんは、あまりリスナー体質ではないんですね。

佐藤:遊穂は全く違いますね。

佐野:はい。棚にCDを取りに行くこともしない(笑)

清水:私も…最近は全然音楽聴かないです。

佐野:じゃあ、そこにあるものを?(笑)

清水:そこにあるものだったり(笑)…あとは、iPhoneに入ってるものとか、Youtubeで「これも好きでしょ?」ってサジェストされるものとか。…だけど、家ではずっと音楽を聴いているんですか? 私は結構、無音が多くて…

佐藤:無音ね。俺も最近は無音が多いよ。

佐野:家の中でじっと座ってる時間がほぼないしね。

佐藤:掛けても違う場所へ行っちゃうんだよね。清水さんぐらい若い頃は、いつも音楽を掛けてた気がするんだけど、いつごろからかあんまり聴かなくなったんだよね。音楽を掛けてもじっと聴いていられないからっていうのはあるかも。ご飯を食べてる時とかも意外と(アルバムを)1枚聞き終わらない間に別のことしちゃうから。

佐野:いつも最初の方の曲しか聴いてないよね(笑)

佐藤:あと、音楽を掛けてたら自分の曲がいつまで経っても書けないからね。自分の曲で、もうちょっと歌詞書こうって時とか、編集してる時とか、音はかけられないからな~。

佐野:忙しくなったということだね。

佐藤:やっぱり聴いてたのって学生時代とか、ミュージシャンになる前の方が多かったんじゃないかな? いっつも聴いてたもん。

--自分の活動が深まるにつれて、リスナーとしての接し方も変化してるんですね。ちなみに、清水さんは主にソロで活動されてますが、ハンバートハンバートのようなデュオの活動ってどう見えるんですか?

清水:すごいと思います。でも、デュオというものについて考えたことがないから…

佐野:そりゃないよね~(笑) でも、バンドは考えたことない?

清水:そうですね。組みたいなというのはあります。でも、大変なんだろうなっていうのは…(笑)

佐野:うんうん、大変そうな人たちを見たり(笑)

清水:でも、ハンバートハンバートさんは男女デュオの“いいとこ取り”をされてるなって思います。女の人が聴いても男の人が聴いても「自分の歌だ」って思えるところとかがすごい。

佐野:ありがとうございます。

--活動されている中でそういう部分を感じたりしますか?

佐野:あんまり男女デュオで両方とも歌っている人たちって少ないじゃないですか? デュオだけど男の人は歌っていない、とか。なので、“めずらしさ”…ですかね(笑)

佐藤:僕らも、初めはデュオを組むつもりじゃなくて、気づいたら2人しか残っていなかったっていう感じだったから、2人でできることをやろうって考えて、自ずと色んなことが決まってきました。アコースティック・ギター1本でできると、完成形がその場で分かるし。それにしたがって、曲のアレンジも2人の声が合わさって良い響きになるような部分を探っていようになりましたね。

佐野:最初は、自分(佐藤)だけが歌うつもりで作った曲を一緒に歌ってたからね。

佐藤:そういう作り方しかできなかったからね。そのうち、遊穂が得意な音域とかを考えて「ここはコーラスを広げていこう」って考えたりとか、ちょっとずつ色んなことができるようになってきましたね。

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近いの、最高です!(笑)(佐野)

--今度のライブでは、“デュオ”ではなく“トリオ”としてのステージですね。

佐藤:“プリバート”ですね!

佐野:おぉ!“プリバート”!!

清水:ダルバートみたい…ネパールの料理の(笑)

一同:(笑)

--3人がオンステージする場面もあるかも知れません。

佐藤:そうですね。3声で出来れば、やっぱり良いですね。

佐野:ね。けど、女の子の声とコーラスすると、普段慣れてないから(自分の声が)分かんなくなっちゃいそう…

佐藤:なにしろ遊穂はハンバートハンバート以外の音楽活動を一切していないので。カラオケぐらい(笑)

佐野:歌うと手拍子も出来なくなっちゃうんだよね。

清水:それは、とてもわかります…(笑)

佐野:ね、頑張りましょう!

--ハンバートハンバートさんは大工哲弘さんとの共演で、PredawnさんはKeishi Tanakaさんのゲスト・ボーカルとして、昨年それぞれビルボードに出演されていますが、その時のステージはいかがでしたか?

清水:私はゲストとして1、2曲を歌わせてもらいました。Keishiさんのお客さんっていうのもあるけど、大人が非日常を楽しんでるっていうイメージがやっぱりありますね。

佐野:やっぱり場所が都心だから、普段ライブになかなか来れない人も職場に近かったり、2部制だから行きやすい時間が選べるっていうのはいいよね。

佐藤:そうだね。それと、どこからでも見やすいのも良いですね。スタンディングのライブハウスだと場所によっては見づらかったりするじゃないですか?ビルボードはどこからでも(ステージが)見えていいなと思いますね。

佐野:この間は、エディ・リーダーを観ました。近いのがすごく良かった。

佐藤:ね、フラットだとできないけど、ああいう造りだと近く感じるよね。

佐野:近いの、最高です!(笑)

スタッフ:あと、飲み物を置く場所もありますね。

佐藤:そう!それだ! ライブハウスだと、飲み物を持って拍手なんかできねーじゃん!ってお客さんは思っちゃうもんね。いつも皆こう(片手に飲み物を持って手首を叩くジェスチャー)(笑)。そんな中で、ビルボードは食べてもよし、食べなくても楽しめるってスタイルがいいよね。

--一方で、特に若いリスナーの中には、イメージから敬遠されている方もいるようで、皆さんから「ビルボードは怖くない」ということを伝えて頂けると嬉しいです(笑)

清水:私は、まだビルボードが少し怖いなって思っている若者側です…

一同:(笑)

佐野:でも!怖いと思ってそうな若者が出ることによってね。

佐藤:そうだよね。「Predawnが出るんだったら…」っていうね。

清水:じゃあ…ジーパンで出てもいいのかな…(笑)

佐藤:よし、じゃあ皆でジーパンで出るか!(笑)いや、やっぱり嘘!

佐野:でも、お客さんでも「ジーパンでいいのかな?」って思ってる人も居そう。

清水:ジャージとかは…どうですか?

--大丈夫ですよ。

清水:なるほど。この間のKeishi君のステージでは、本当に社会科見学をするつもりで出ていたので(笑)

佐野:Keishi君ってアーバンな感じだよね。

清水:そうですよね、アーバン!

佐藤:(ステージの)カーテンが開くのも似合うよね。

スタッフ:今回、どこでカーテンを開けるかも問題ですね。見せ場を作らないと。

佐藤:アーバン問題だね(笑)

一同:(笑)

清水:あと、お二人のお喋りもたくさん聞きたいです。

佐藤:聞きたいじゃなくて、清水さんはちゃんと参加しなきゃ!(笑)

佐野:よし、テーマを考えないとね!

--普段、清水さんはライブ中MCは?

清水:私は、すごいグダグダになっちゃうんですけど(笑)

佐野:何かのライブでビールを飲んでたよね?

佐藤:あれは、割といつも?

清水:割とけっこう、飲んでますね(笑)

--では、トークとカーテンの開きどころにも注目、ということで(笑)

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