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東海岸の屈指の名作として受け継がれるであろう、エイサップ・トゥエルヴィのデビュー作『12』(Album Review)

  • 「東海岸の屈指の名作として受け継がれるであろう、エイサップ・トゥエルヴィのデビュー作『12』(Album Review)」1枚目/1

 米NYハーレム地区を拠点とするヒップホップ集団エイサップ・モブのメンバー、エイサップ・トゥエルヴィのデビュー・アルバム『12』が、2017年8月4日にリリースされた。2012年にリリースした、エイサップ・モブ名義のミックステープ『Lords Never Worry』には参加しているが、自己名義のアルバムとしては、本作が初となる。

 本作からは、エイサップ・ロッキーがフィーチャリング・アーティストとして参加した、「Diamonds」が先行曲として発表された。本作には、この曲のような90年代の東海岸を彷彿させる、クールで濃厚なトラックが全14曲、収録されている。

 特に、「Castle Hell」や「Strapped」、「Periodic Table」あたりは、ジェイ・Zやナズの絶頂期を思わせる、もろナインティーズを意識したナンバーだ。ASAP Rockyの従兄弟である、エイサップ・ナストが参加した「EastSideGhost」も、当時のイースト・コースト・ラップを感じさせる。

 ミッドチューンの「Yea Yea Yea (Maps)」や、ラストを飾るトラップ・バラード「Brothers」など、若干おとなしめのナンバーもあるが、やはりハードコアなナンバーが目立つ。「L.Y.B.B」や、エイサップ・ファーグが参加したトラップ調の「Hop Out」などは、かなりヘヴィ。フラットブッシュ・ゾンビーズが参加していることもあり、アルバム中もっともハードだったのは、「A Glorious Death」だった。1曲でお腹いっぱいになる、ボリューム満点のヒップホップらしいナンバーだ。

 NYブルックリン出身のラッパー、ジョーイ・バッドアスや、同NYクイーンズ出身のフレドロ・スターなど、ニューヨーク出身のアーティストで固めているあたりも、本作への拘りを感じられる。クールなトラックとタイトなフロウだけで勝負する姿勢も、エイサップ・トゥエルヴィの男気を感じる。大ヒットはせずとも、東海岸の屈指の名作として、受け継がれるのではないだろうか。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『12』
エイサップ・トゥエルヴィ
2017/8/4 RELEASE

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